ベジるビバる

ゆうがたヨクサルのブログ

落ち葉

今年の、自宅近くの街路樹のイチョウの葉っぱは、緑色の端っこが枯れて、色が褪せてる。いつもならキレイな黄色になるのになぁ。

 

子供の頃、まだ若かった叔母が訪ねてきたことがあった。

自分の家はパン屋で、祖父母と両親とパートさんと皆んなで分担して仕事してるから、叔母が訪ねてきたときも営業してたけど、せっかく来てくれたからと上がってもらい、姉である母と子供の自分と3人で客間に居た。

何を話していたのかは覚えてないけれど、たぶん近況報告とかそんな感じだったと思う。

お客さんが来たときとゆーのは、そのときにもよるけれど、だいたい2、3時間はいることが多かったのに、叔母さんは1時間もしないで「じゃあそろそろ行きます。」と立ち上がった。

茨城から横須賀まで、はるばる来てくれたのに、出前とってご飯でも食べて行けばいいのにもう帰るの?なんで?って母も引き止めていたけれど、叔母さんはたぶん、仕事中に来てしまったことの気まずさを考えてたんだと思う。今思えば、叔母さんは何か母に言いたいことがあってきたんだと思うけどな。

 

せめて駅まで送っていくよ、となって、母と自分は一緒に外に出た。駅までは歩いて15分くらいかかる。母と叔母は歩きながら話してる。街路樹のイチョウの樹の黄色い葉っぱが、歩道一面に散っていて、自分は大きくて綺麗な落ち葉を拾って歩いた。叔母も綺麗なやつ見つけては自分に差し出してくれた。

歩いてまだ五分も経たないうちに、「ここでいいから。あとはひとりで駅まで行くから。仕事中なのに悪いから。」と叔母が言った。

そこから姉妹の喧嘩になった。

せっかく来てくれたのに、すぐ帰ろうとするわ、駅まで見送りもさせないわ、なんなの!

いいよ、悪いから、大丈夫だから!そっちこそ無理しないでよ!

ますますお互いにムキになって、道の真ん中でわあわあ言い合いになってる横で、自分は黙って綺麗な落ち葉を集めてるしかなかった。

大人の兄弟ゲンカを観るのは初めてだった。大人でも喧嘩するんだ…って思った。

 

結局、地下道に繋がる階段の手前別れて、母と自分はまた家に向かって歩いた。沈黙が続く。

こんなとき、どう振る舞えばいいんだろ。

ママは怒ってるのかな、おばちゃん帰っちゃったな、と色々考えながらイチョウの葉っぱを拾っては歩いた。

突然、母が立ち止まって、すごく小さくて綺麗なイチョウの葉っぱを拾って、「ハイ。」と自分に渡してくれた。そーゆーことをするような人ではなかったから、母が葉っぱ拾って、自分に渡してくれたことに驚いた。声は怒ってなかったけれど、なんとも言えないトーンだった。

 

歩道一面に敷き詰められたイチョウの黄色い葉っぱと、姉としての顔と声をした母を、今でもすごく覚えてる。