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ベジるビバる

ゆうがたヨクサルのブログ

目の前には見本がある

高卒で就職した服飾販売の会社では、最初に身だしなみや挨拶の仕方、包装紙で商品を包む練習、店舗での実地研修があった。

当時はラッピング袋をリボンで結ぶようなタイプよりも、商品の箱や形に見合った包装紙の大きさを選んで包み、リボンをかけるタイプが主流だった。いわゆる「ななめ包み」と「キャラメル包み」を教わった。

自分たちが包み終えると、出来上がりを講師がチェックするんだけど、自分が包んだギフトボックスを高々と掲げながら「はい、これはダメな見本ですね!」と全員に見せながら説明する。皆んなが笑う。自分もハハ、と笑うしかなかった。

 

制限時間内にはやく包まなきゃ!と焦って、箱の幅よりもはみ出したまま紙を折ったり、角度がどんどんズレてきて、ブカブカで弛んだままだし、歪んだセロテープで封をしたり、今思い出しても確かにアレはダメな見本だったよ。プレッシャーが苦しくて、早くこの感じから逃げたい。もうコレでいいや。っていう気持ちもあったと思う。

そんでダメな見本が目の前にある。ああ、コレは自分そのものだ。と、大雑把で弱い性格が出てるなぁ、と思った。

自宅では新聞紙を使って包む練習から始めた。そのうち新聞紙だと柔らかすぎるなと、文房具屋でラッピング用紙を買ってきて包む練習をした。

空箱だと軽くてリアルじゃないから家にあるもの手当たり次第包装紙で包んでリボンをかけまくった。(缶詰とかぬいぐるみとか靴下とか、カセットテープとか!)

当時の自分が配属されたのは、メイクやスキンケア、ボディケア用品、衣料雑貨を揃える店舗だったから、ラッピングをする機会はかなり多かった。女子が喜びそうなアイテムを何品も包装した。

練習と現場とでは、プレッシャーが全然違ったけど、いつの間にか緊張感よりも「贈られたひとが喜ぶといいなぁ。」と思いながら包めるようになっていた。

 

退職してから他の会社でも研修を受けたり、色んな人に色んな事を教わった。

印象的な講師もいたし、もうどんな内容だったか憶えてないこともあるのに、最近になって、教わったことがふと浮かんだりする。思いがけず映画やインタビューからヒントや勇気を得ることがある。同時に昔の自分と今の自分との違いにもきづく。

うまく説明出来ないんだけど、なんとゆーか、「何かを乗り越えてきた人たち」のいい見本が、目の前にある。って感じだ。

 

目の前にある見本は、ダメな場合といい場合、どちらも「自分に必要なこと」を分かりやすく教えてくれる。