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ベジるビバる

ゆうがたヨクサルのブログ

解答用紙とリンゴ

自分が中学二年生の時、弟は中学一年生だった。

1学期の中間テストの初日に帰宅すると、弟が制服のまま居間の椅子に座って、前屈みになって、両手で頭を抱えてうなだれていた。
当時の自分は、リアルにそんな姿勢でいるヤツを初めてみたから「こいつ、何してるんだ?」と思った。

制服を着替えてまた通りかかった時も、弟は同じうなだれた姿勢のままで、「う〜〜。」とか「はぁーーっ‼︎」だとかうめいてる。
ウザいなぁ。と思ったが、具合でも悪いのかな?と考えて「…どうした?」って質問してみた。

弟「…ああ〜!オレはー、オレはもーうダメだぁ〜〜!終わった…」

ゆうがたヨクサル「いや、だから何やってそんなんなってるの?」

弟「…オレはぁー、なーんてバカなんだぁ〜。やっちまった〜〜!」

ウザいなぁ。まあ、仕方ないけどな、中学生男子なんだからさ。
テストが難しかったのかなぁ?と思ったから「初めてのテストどうだった?」と質問した。

弟「解答用紙に答え書かないで、問題用紙に答え書いて提出した…」

ゆうがたヨクサル「ウッ(−_−;)」

自分達が小学校の時のテストは、問題用紙にじかに答えを書くやり方だった。
中学に入って、自分が初めてテストをした時、前の席から配られたのが「問題用紙」と「解答用紙」の2枚だったから、解答用紙の方に答えを書けばいいんだな。と理解した。

だが、弟は手元に配られた解答用紙には書かずに、問題用紙に答えを書いた。
コレは聞かずにはいられまい!

ゆうがたヨクサル「じゃあ解答用紙は何のためにあると思ったの?」

弟「問題用紙、解答用紙、好きな方に答えを書けばいいんだと思った。…ああ〜、オレはもうダメだぁぁ〜!(号泣)」

何だその好きなほうって、自由か。

その後も話を聞くと終了時間に後ろから解答用紙だけを回収し出した時に、「アレッ?」と気付き、先生に報告したそうだ。
毎年、一年生の初めての中間テストで、3人くらいは問題用紙に答えを書く生徒がいるそうだ。
今回だけは採点して下さることになったそうだ。

弟は翌日まで凹みまくり、何度もため息をついて「ダメだぁ。」を繰り返した。
落胆してる弟を見ていた親達は、弟を叱らず、「お前も何でテストのやり方を教えといてやらなかったんだ‼︎」と自分に向かって怒っていた。

ハイ、出ましたー。すーぐ、コッチに責任ある感じで言われるんだよな。
1歳しか違わないんですぅ。
自分は初めてすることでも、誰にも聞かずにやりましたー。
毎年間違える生徒がいるならテストの前に説明するとか対策を講じればいいんですぅ。
それをあえてやらずにいるくらいなんだから、深刻な問題ではなく「次回ガンバ!」って事ですぅ。

きょうだいで年上って、こんな役回りばっかりだ。何でも分けなさい、譲ってあげなさい。我慢しなさい。お手本になりなさい。許してあげなさい。
弟が悪い癖を真似しないようにお前は良い子でいなさい。

怒られて、お前のせいだと責任を押し付けられる度に、自分の中でグルグルと何かが変化する。
親もさ、大人なんだからさ、もうちょっと言い方ってのを工夫すればいいだろうに。

あの頃、3番チャクラとかの呼吸法を会得してたらずいぶん楽だったろうなぁ。
今となっては笑い話の、懐かしい想い出である。


「何でも分ける」「お前は我慢しなさい」が口癖だった親だが、1度だけそうじゃなかった時があった。

4歳くらいだったと思うが、近所の、小さな神社のある公園で1人で遊んでいたら、神社を管理してる近所のおじさんが、新しいお供え物の果物を並べたあとに、目の前で遊んでいた自分を呼びとめて王林の青林檎を手渡してくれた。

「神様にお供えしてあった林檎だから、食べたら風邪引かなくなるぞ〜!」と教えてくれた。
人から何かをいただいた時には、お礼を言い、その後すぐに親に報告する。

「かみさまのりんごかあ。みんなで食べたら、みんな風邪なんか引かないで元気でいられる!」と思い、当時の自分にとっては珍しい青林檎を両手でしっかり持って家に走った。

母親に報告するといつもと違った。
ジッと話を聞いて、自分を見てから「お前がいただいたんだから、それはお前が食べなさい。」

え?何で?6人でみんなで食べようよ。
と言ったが同じように「お前がいただきなさい。」と繰り返した。

当時の自分には、大きくて立派なリンゴ一個はお腹ぱんぱんになった。

風邪は引かなかった。