ベジるビバる

ゆうがたヨクサルのブログ

みつけた人

父方の祖父は、神奈川県の江ノ島の近くで漁師の家に生まれて、海の近くで育った。魚が好きで、酒の呑み方がきれいな人だった。

何故それを選んだのか、詳しくは知らないんだけど、祖父は西洋的なものに関わる仕事がしたい!って考えて、パンとケーキの職人になった。

子供の頃に誰もいない部屋で遊んでて、タンスの上の荷物の山から年季の入ったアルバムを見つけ出したことがある。

バタークリームでバラや模様をあしらった、大きくて立派なデコレーションケーキの横で若い30代くらいの祖父がトロフィーと表彰状を持ってる写真をみつけた。
若い祖母がにっこり笑って立ってるパン屋の開店当時の写真をみつけた。
白黒写真で、顔が若くて、店の看板も内装もまだ新しい感じだから、子供の自分は知ってるはずの家族と店の、知らない時代を見るのは面白かった。
何枚も眺めては、「おじいちゃん、かっこいいなぁー!」って嬉しくなった。
何だか誇らしい気持ちになったのだ。

自分は小さい頃から祖父母と一緒に寝ていた。朝の5時頃に祖父が起きて下の階の工場(こうば)に階段を降りてくのを、目を覚まして布団の中でじっと気配を辿っていた。

少し経ってから、パン種を攪拌する大型ミキサーの音がゴンゴン聴こえて、途中から煙草とコーヒーの匂いがしてくる。
作業がひと段落ついたから休憩してるのだ。
自分はこの時の匂いがとても好きだった。
そのうち、父親も起きて階段を降りる音が聞こえて、ラジオが流れ出して、祖母と母親も起きてパン屋の1日が始まる。

大人はみんな、自分のしたい事を仕事にするんだと思ってたけど、自分が大きくなるにつれ、どうやらそれは簡単な事ではないらしい。と知った。
知るほどに、祖父はやりたい事をみつけたし、行動に起こしたし、仕事にしたんだなぁ。と思った。それは本当に凄い事だし、素敵だ。15年しか一緒に暮らせなかったけど、とても大切な事を見せて貰って感謝してる。

自分が社会人になって、誰にも相談出来ず、自分ひとりで決めなくてはならない事があった。
心から相談する相手が何処にもいないとゆーのは、とても苦しい事だってのを、この時に知った。
とうとう自分で自分が分からなくなってしまった時「祖父ならこの場合、どうするだろう?」って考えた。
それから「祖父が自分をみて、恥じない行動を選ぼう。」って考えた。

とっても難しかったけど、指針にする事で、自分を奮い立たせて切り抜ける覚悟が出来た。

何年か夢中で切り抜けてる間は「おじいちゃん、コレでよかったんだよねぇ。」って考えた。
何年も経って今は「おじいちゃん、こっちを選んで良かったー。ありがとう。」って考えてる。考えた想いが、届いてるのも分かる。

この数ヶ月、祖父の事をよく考える。
あなたはどうやって答えを見つけたんですか。とかね。
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